記事① で説明したように、カギの防犯性はドア側についているシリンダーの性能により決まります。
では、なぜカギにはギザギザしてたりディンプルキーみたいなのがあるのか気になりますよね!?
どーせなら、みんなディンプルキーにすれば便利でいいのに、と思いませんか!?
では、なぜディンプルキーが誕生したのかについてまず説明しましょう。
カギの刻み形状はシリンダー中にあるタンブラーという部品を押し上げる位置により決まります。
その結果、山の高さが違うノコギリみたいな形状になっているのが一般的なカギです。
そのタンブラーの本数が多ければ多いほど防犯性能は高くなり、特にピッキングというカギを使わずにシリンダーを回転させてしまう開錠行為がしづらくなります。
(タンブラーについての説明は記事①を参照ください)
でもタンブラーの本数を増やすという事は、カギの刻みが増えるという事で、記事① の図で説明したピンタンブラーの本数が増えると結果、カギが長くなり持ち運びにくくなります。
使いにくいだけならまだしも、板形状のカギは長くなればなるほど曲がったり折れやすくなるのです。そこで考えだされたのがディンプルキーです。
カギの側面にキザミを入れた従来のカギと違い、カギ表面の平らな部分タンプラーを押し上げるための穴を彫ります。
タンブラーを押し上げる位置がその穴により深さが違うので、表面には大中小の大きさが違うくぼみができるのです。
これらの工夫により、それまでのシリンダーでは6から7本しか配列できなかったピンタンブラーの数が倍以上のピンを配列できるようになりました。(上図のシリンダーは18本ピン)
さらにカギの表面に入れるのと同じ刻みをカギの裏面に入れる事により、カギの裏表どちら側を挿しても使える便利なリバーシブルキーが普及しました。
ギザギザのカギでもリバーシブルキーは製作できますが、カギ山の刻みが深い部分が折れやすくなるので最近はほとんど利用されておりません。
ひと昔前はカギ山の形をなぞるようにマシンを操作し合鍵を造るコピーマシンを使って合鍵を作成するのが一般的で、そのようなマシンではディンプルキーの複製はできないため勝手に合鍵を複製させない効果も期待できました。
しかし最近では、コンピューター制御によるマシンも進化し、ディンプルキーの合鍵作成も不可能ではありません。
ここまでの説明だと、やはりディンプルキーの方が防犯性能が高く安心という結論に至ります。
しかし時代遅れのようなクラシカルなギザギザのカギにも長所がある一方、実はディンプルキーにも弱点はあるのです。
その理由については、次の記事③にて詳しく解説いたしましょう。