カギもカギ穴部品(シリンダー)も、精密に製作された部品なので、長く使用し続ければ当然故障する確率
は高まります。しかし、毎日お使いのカギを普段からお手入れされている方はほとんどいないと思います。
それでも正常に動き続けるほど、シリンダーは精巧かつ耐久性に優れているのです。
2000年以前の日本は、「水と安全はタダ」という世界でも稀にみる治安と環境が良い国として有名でした。
そのためカギにおいても防犯性能より耐久性能がやや重視される傾向がありました。
しかし、2000年以降は治安も悪化し始め侵入盗被害が激増したため、より防犯性能が高いカギの需要が高
まり普及したのが現在、主流となっているディンプルキーです。ディンプルキーを採用したシリンダーは防
犯性能も高く設計された結果さらに構造が複雑になりました。よって、防犯性が低い製品より故障するリス
クが高まったのも事実です。
さらなる大きな変化として、2003年に改正された建築基準法により住宅内部の24時間換気を義務づけられた
事によりカギ穴にゴミや埃が溜まり易くなってしまったのです。
高い機密性を保つことによりエネルギーロスを少なくする最近の住宅は、隙間風すら入る余地がありません。
その住宅内から24時間休みなく室外に空気を排出されると、その排出された容量の空気を吸い込もうと何と
カギ穴が外気を吸い込んでしまうのです。 外の空気は塵や埃、最近ですと黄砂など様々な物質が浮遊しており
それらがカギ穴から24時間入り続ける事を想像してみて下さい。そのゴミが10年以上も溜まり続ければシリン
ダーが故障するのも不思議ありません。なんと言っても、精密部品なのですから。